
「ごめんなさい」を「ありがとう」に。調和と信頼関係を築く心の習慣
謝ってばかりのあなたへ
1. はじめに:その「ごめんなさい」、必要ですか?
「遅れてごめんなさい」
「(お茶を出してもらって)すみません」
「(席を譲ってもらって)すみません」
「うまく言えなくてごめんなさい」
気づけば一日に何度も謝ってばかりいませんか?
カウンセリングの場でも、「いつも謝ってばかりで…」「謝ることぐらいしかできなくて…」と話される方は多くいらっしゃいます。
その言葉の本音は、「自分は迷惑をかけている」「ここにいては申し訳ない」「私なんかが足を引っ張ってしまった」という、自分をちっぽけに扱う心の癖が隠れているかもしれません。
一方で、その癖は、あなたが「調和を大切にする心の持ち主」である証拠でもあります。
こういった悩みを抱えている方に、私がよく伝えていることがあります。
それは、「すべてのごめんなさいは、ありがとうに変換できる」ということです。
もしあなたが謝ることに疲れているのであれば、あなたのもつ素敵な調和の方向性を、今日からほんの少し変えてみませんか?
2. 必要のない「謝罪」は相手に負債を感じさせる言葉
心理学的に見ると、「ごめんなさい」と「ありがとう」では、受け取る相手の心の動きが全く異なります。
もちろん、本当に非がある時は誠実に謝ることが大切です。
ここでいう「ごめんなさい」「すみません」は、相手から謝罪を要求されたときや、明らかにこちらに過失があってのお詫びの場面で使う「ごめんなさい」とは、本質的に違います。
相手が謝罪を求めていないのにも関わらず、一方的に言い渡す「ごめんなさい」は、ときに相手に「負債」を感じさせる言葉になってしまいます。
相手にとって、謝られるような場面でもなく、謝ってほしいとも思っておらず、ましてや「なんで謝るんだろう?」と感じる状況で謝罪を繰り返されると、相手は「なんか私が悪者みたい」「私ってそんなに怖い雰囲気出してるの?」「なんだかこの人とは対等になれないな」「謝ってほしいわけじゃないのに」という重い空気を感じてしまいます。
あなたがつい癖のように謝ることで、関係性に「上下」や「負い目」が生まれてしまうのです。
3.「ありがとう」は対等に通じ合う言葉
「ありがとう」は、相手の「してくれた言動」に対し、その「価値」を肯定し、感謝の気持ちを伝える行為です。
相手からの素直なお礼を、嫌な気持ちで受け取る人はそうはいないはずです。
たとえばあなたが、お年寄りに電車の座席を譲ってあげたときや、ドアをあけてあげたとき、「ごめんなさいね」と言われるのと、「あら、ありがとうね」と言われたら、どちらが心がほっこりするでしょうか。
感謝を伝えられた側は、「自分の行動が役に立った」「親切に振る舞えた」「やって良かった」と、心があたたかくなります。
これを日常生活に取り入れていくことで、相手との信頼関係を育んでいくことにつながっていくのです。
4.実践!「ごめんなさい」を「ありがとう」に翻訳するリスト
日常のよくあるシーンを、魔法の言葉で書き換えてみましょう。
| 待たせたとき |
😔「待たせてごめん」
💛「待っててくれて、ありがとう」
| 何かを忘れて貸してもらったとき |
😔「うっかりしててごめん」
💛「貸してくれてありがとう、助かった」
| 助けてもらったとき |
😔「お手を煩わせてしまい、申し訳ありません」
💛「助かりました、本当にありがとうございました」
| 慰めてもらったとき |
😔「情けない姿を見せてごめんなさい」
💛「そばにいてくれて嬉しかった」
| 愚痴を聞いてもらったとき |
😔「暗い話をしちゃって、ごめんなさい」
💛「あなたのおかげで気持ちが軽くなった。ありがとう」
| ミスを指摘されたとき |
😔「気づかなくてすみません」
💛「教えてくれて助かります」
| 急きょ風邪で休んだ時 |
😔「迷惑かけてごめんね」
💛「ありがとう、おかげで元気になりました」
| 足のケガで歩くペースを合わせてくれたとき |
😔「遅くてごめんね」
💛「ゆっくり歩いてくれてありがとう、いつも優しいね」
このようにして、すべての「ごめんなさい」は、何かしらのお礼や感謝に言い換えることができます。
ポイントは、「謝罪」を「相手の寛容さや親切への賞賛」に置き換えるイメージです。
もし使えそうなものがあれば、あなたの生活に取り入れてみてくださいね。
5. 自分という存在に「OK」を出すための練習
「ごめんなさい」が口癖の人は、心のどこかで「自分はだめな人間だ」と自分を低く評価しています。
でも、人間は不完全で当たり前。迷惑をかけ合って生きるのが自然な姿です。
「してもらってごめんなさい」ではなく、「してくれてありがとう」を言えるようになると、少しずつあなた自身にも変化があらわれます。
「ごめんなさい」とつい謝りそうになったら、一呼吸置いて「ここは『ありがとう』と言える場面かな?」と自問してみてください。
謝ってばかりの自分に慣れてしまうと、必要のない場面でも謝る癖がついてしまいます。
1日ひとつでも、謝罪を感謝やお礼に変換できたら、「自分、できるじゃん!」と、小さな変化をしっかり認めてあげましょう。
6.おわりに:言葉が変われば、世界が変わる
「ごめんなさい」を「ありがとう」に変えることは、相手への信頼関係を積み上げていくことにもつながります。
あなたが「ありがとう」と言うとき、あなたはもう「迷惑をかける困った人」ではなく、「受け取った好意に感謝の気持ちを伝えられる人」になっています。
今日から、「ごめんなさい」を「ありがとう」に書き換えてみませんか。
世界は、あなたが思っているよりもずっと、あなたの「ありがとう」を待っています。
