
ストレスは人生のスパイスでもある― 公認心理師の視点から考える「ちょうどよい負荷」の大切さ ―
ストレスを抱える全ての人に向けて、ストレスとの付き合い方について私が学び、体験してきた内容をお伝えできればと思っています。
「ストレス=悪いもの」ではない
「ストレス」と聞くと、多くの人は
「つらいもの」「避けるべきもの」「心身に悪影響を与えるもの」
というイメージを持つかもしれません。
確かに、過剰なストレスは心身の不調につながると考えられます。
しかし一方で、ストレスが全くない状態が、必ずしも健康的とは限らないとも言われておりました。
実は、適度なストレスは私たちに緊張感や集中力、達成感を与え、人生にメリハリをもたらしてくれることもあると考えられています。
まさに「人生のスパイス」のような存在とも言えるのかもしれません。
ストレスには「良いストレス」もある
心理学では、ストレスは単純に「悪いもの」「マイナスなもの」として扱われているわけではないと考えられています。
たとえば、
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新しい仕事への挑戦
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試験や発表への緊張
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恋愛や結婚
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子どもの誕生
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引っ越しや進学
これらは負担を伴う一方で、人の成長や変化にもつながる出来事でもあります。
適度なストレスがあることで、人は準備をし、工夫し、乗り越える力を発揮していくこともあります。
スポーツでも、全く負荷をかけなければ筋肉が育たないように、心にもある程度の刺激が必要であると私は考えています。
「快適すぎる状態」が続くとどうなるか
ストレスを完全になくそうとすると、人は一時的に楽になることがあります。
しかし、刺激の少ない状態が長く続くと、
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意欲が低下する
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生活に張り合いがなくなる
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小さな変化にも弱くなる
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自己効力感が下がる
といった状態につながることもあります。
心理学者のハンス・セリエは、
「完全なるストレスの欠如は死である」
と述べています。
これは「ストレスがあるからこそ、人は活動し、生きている」という考え方を示していると私は捉えています。
大切なのは「量」と「回復」
問題なのは、ストレスそのものではなく、
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強すぎること
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長期間続くこと
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回復できないこと
であると私は思っています。
たとえば、運動後に適度な休息が必要であるように、心にも回復する時間が必要であると言えます。
現代社会では、
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常に連絡が来る
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SNSで比較してしまう
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オンとオフの切り替えが難しい
などといった、「休みにくさ」「時間の取りにくさ」がストレスを慢性化させやすい環境があると考えられます。
そのため、
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睡眠
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食事
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人との安心できるつながり
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趣味やリラックス時間
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あえて「何もしない時間」
をといったものを意識的に確保、体験することが重要になると私は考えています。
ストレスとの付き合い方を変える
ストレスを「敵」と考えるようになってしまうと、少しの負荷でも苦しく感じやすくなってしまうと思われます。
一方で、
「これは自分を成長させる刺激の一つかもしれない」
「今は負荷がかかっている時期なんだ」
といように捉えられると、感じ方やイメージが変わることがあります。
もちろん、無理をする必要はないと私は思っていますし、
つらさを我慢し続けることは、決して良いことではないと言えます。
しかし、「ストレスをゼロにする」「ストレスを無くしていく」のではなく、
“回復しながら上手に付き合っていくもの” “自分の心身を支えていくために必要なものの一つ”
として考えることは、心と身体の健康を保つ上で大切な視点であると私は思っています。
最後に
人生からストレスを完全になくすことはできないと考えられます。
ですが、ストレスは必ずしも私たちを苦しめるだけの存在ではないと私は考えています。
適度な緊張、挑戦、変化は、人を成長させ、人生に深みや彩りを与えてくれると言えます。
料理にも、時々スパイスが必要なように、人生にもまた、少しのストレスが必要なのかもしれません。
ただし、スパイスも入れすぎれば刺激が強くなりすぎます。
だからこそ、自分に合った「ちょうどよい加減」「ちょうどいい刺激」を知り、疲れた時にはしっかり休んでいくこと、
それが、ストレスと上手に付き合っていく第一歩と言えるのではないかと私は思っております。
参考文献
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